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特集 ぜひ知っておきたい アトピー性皮膚炎の原因とは?

アレルギーや皮膚疾患に対する漢方の考え方とは?
漢方の考え方と治療方針をご紹介します

アレルギー疾患や皮膚疾患は漢方でも多くの治療が行われています。
漢方の治療の特徴は、症状に対応した対処療方と並行して、発症につながる体質的要因を改善する病因治療を中心に行っていくことです。

先天的要因・後天的要因について漢方的に考えると

先天性の体質虚弱は生命維持に必要な根源のエネルギー不足(陽気の不足)です。
発育と共に備わるべき免疫機能も不十分なままで、大人になってもアレルギー疾患が治らなくなります。
そこで近年、生命の根源の陽気を高めるため体の中心部を温める方法が試されています。
後天的要因の大部分は胃腸の要因とされています。飲食物から得られる栄養分から生み出される後天的なエネルギーが不足してしまうのです(胃腸が未熟である乳幼児に多く見られます)。
エネルギー不足におちいると体内から体表部へ栄養を移動させる力も弱まります。また本来、正常な体液として体内で活用しなければならない水分がほかに漏れ出したりしてジクジクした湿疹になります。
さらに、慢性的な栄養不足となると皮膚がどす黒くなったりします(血行のうっ滞が発生)。
こうした後天的要因の場合、おなかを温めたり、胃腸の消化吸収機能を高める方法を行います。
さらに必要に応じて、体液や栄養素を巡らせ、新陳代謝を改善させる方法を行います。

「腎」を補う、「脾」を補う

皮膚に現れる炎症・熱感について漢方的に考えると

湿熱(しつねつ)

体内の水分が本来あるべき場所に行かず、不要な水分として様々な場所に溜まり、ジクジク湿疹や水疱のように体表部に現れ出ます。
発汗や利尿を行うなどして不要な水分を代謝させます。

余分な水を代謝させる
虚熱(きょねつ)

熱症状による体液不足、栄養不足が深刻になり発生した熱を適度な状態に抑えることが出来なくなっています。 ひどくなると皮膚の乾燥が起きます。
熱を冷ます清熱をしながら、体液や栄養を補う補陰を行います。

腸胃蘊熱(ちょういうんねつ)・血分湿熱(けつぶんしつねつ)

飲食物に辛いものや脂物を多くとった。便秘の傾向がある。ストレスが多くカッカしているなどです。
それぞれの問題点に対応を行います。

陽虚発熱(ようきょはつねつ)

体のエネルギー不足が根本原因となって炎症が発症しますので陽虚発熱といいます。
この体表部に現れる過剰な熱は体内にあるべき熱エネルギーの消耗にもつながります。
対策としては、体内の冷えと体表部の熱が分かれてしまっている様な状態と考え、中心部の不足していたエネルギーを補い、体表部に現れている過剰な熱を体の奥に引き下げる潜陽を行います。
さらに必要に応じて体内における上下、内外の巡りをつける方法を行います。

表裏を交流させる、上下を交流させる

ストレスや精神疲労ついて漢方的に考えると

精神面による要因を、内傷七情といいます(怒、喜、憂、思、悲、恐、驚の七情)。読んで字のごとく七情が強く表れたり、継続したりすると体の内側を傷つけるとされています。内傷七情の種類によってそれぞれ特徴がありますが、エネルギーといえる気の巡りが悪化してしまっているのです。
緊張を緩めたり、感情を安らいだり、気の流れを正しくさせる方法を行います。

外因について漢方的に考えると

「内因があると、外因をうけ易くなる」と考えます。基本的には内因などによって体の防御力が低下するとこうした外因の影響が大きくなると考えます。
生活環境因子に対しては、高温多湿を暑邪。多湿を湿邪。寒さを寒邪。冬季など乾燥を燥邪。汗、熱、紫外線などを熱邪。ハウスダスト、ダニ、花粉などを風邪。として外因を分類し、必要に応じて対応を行います。
食事環境の問題は飲食不節といい、体の栄養やエネルギーの不足につながったり、不要物の産生につながったりしてしまいます。これは内因の発生にもつながってしまいます。したがって、必要に応じて食欲不振、便秘などに対する漢方治療を加え、胃腸の機能が低下している際には胃腸の機能を回復させる方法を行います。
(細菌)感染は体の免疫機能の低下によるものです。内因によってもたらされるものです。外用剤による治療と合わせて、内因を改善する漢方治療を考えます。

疲労は労倦(ろうけん)といい、体のエネルギー不足の状態といえます。慢性的に継続すると内因が発生する要因となってしまいます。
休養をとると同時に、必要に応じて疲れに対する漢方治療を考えます。
このように外因についての漢方の対応は内因の治療をベースに、必要に応じて外因に対する治療を行います。
それは、内因があると外因を受けやすく内因の改善を無くして症状の完治は無いと考えるためです。
特に体表部の生理機能を発現させるエネルギーといえる衛気(えき)を回復させることを考えます。

外因をはね返せる、外因に入り込まれる